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第5回 若手流砂の研究会

土木学会水工学委員会・基礎水理部会のほうで企画、運営されている流砂研究会に参加してきました。流砂研究会は、「流砂」の研究を行っている30~40代の研究者が全国から集まり、各自が最近取り組んでいる研究内容を共有、意見交換する会で、今回は8/26,27が勉強会、8/28が北海道胆振東部地震で土砂災害があった厚真川流域の見学会という内容でした。※詳細はこちら→http://sediment.stars.ne.jp/blog/

勉強会

別件打合せがあったため、残念ながらすべての発表に参加することはできなかったのですが、参加した時間帯に聞いた研究やその後のディスカッションはどれも智慮に富んでいて圧倒されました。特に内田先生の「新たな混合粒径モデルの提案」と、山野井さんの「スパコン:京を活用した水・土砂流出シミュレーション」は、私が以前から関心のあったことで、非常に興味深く聞かせていただきました。

関心があったにも関わらず何もやっていなかった私に対して、お二人は実際に考え、取組み、結果を出している。しかもその結果も素晴らしい。立場違えど、姿勢、結果の出し方ともに見習うべきことが多いと感じました。

見学会

2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震で大規模な土砂崩れがあった厚真川流域の見学会に参加しました。地震発生から1年程度経過していますが、土砂崩れが数百箇所で発生したこともあり、災害復旧工事の真っ最中でした。どこの現場も土砂崩れの形跡がはっきり確認できる状態で、破壊された人家も工事現場の横に残置されていました。

日高幌内地区では、土砂が崩れたというよりも山が動いて川の対岸にあった山にあたって止まったというおかしな表現が適当なほど大規模な土砂崩れ(深層崩壊)が発生しました。実際現地で撮った写真を下に示しますが、正直その状況を伝えるために何をどう撮れば良いか分からないまま撮った写真です。原型不明、ぐちゃぐちゃな状態でした。

この深層崩壊で地震前に崩壊箇所の横を流れていた日高幌内川がせき止められてしまい、下左図にみられるように崩壊箇所上流側に池?湖?ダム?が形成されました(天然ダムといいます)。天然ダムは人工的なダムと違い、せき止め箇所がいつ壊れてもおかしくな状態です。せき止め箇所が壊れると溜まった水・土砂が一気に下流に流れ出します(ダムの決壊と同じです)。下流には多くの人が住んでいるため非常に危険です。

そのため上流側に溜まった水を排水するために、埋まった日高幌内川付近の土砂を取り除き、下中央図の排水路を造り、下右図のポンプで吸い上げ、排水路に流すとう緊急工事が行われたそうです。写真は緊急対応がほぼ完成した状態のものです。

今後より安全な状態とするための復旧工事が行われるようです。

まとめ

第5回流砂研究会の勉強会では、同世代の研究者が智慮深く行動していること、見学会では自然現象の凄まじさを目の当たりにしたことで多くの刺激を受けました。まだまだ迷いもありますが、それでも「胸に抱え込んだ迷いがプラスの力に変わるように」というよりも、「変えれるように」今回の経験を今後のRiverLink、私自身の活動の中に血として活かしていきたいと思います。

最後に研究会を企画していただいた音田先生@京都大学、井上さん@寒地土木研究所、ありがとうございました。次回もぜひお声がけいただければと思います。